20200918

Negiccoの新譜は素晴らしい音像をしているように感じる。偉そうに言えば2020年の現行音楽の音像が意識されているように感じる。別の言い方をすれば音が良いと思う。アイドルというものの様式はわからないがきっと年々「アイドル」という言葉の意味が変わりはじめてきていることだろう。『sneakers』という曲のドラムを叩いているのはまた石若俊という人だった。米津玄師の『感電』でもジャズドラムを叩いていた。9/12の中村佳穂の配信ライブでも彼の名がクレジットされていた。『sneakers』という曲はそもそもCRCK/LCKSというバンドが演奏しておりこれは石若俊もメンバーとして加わる英才集団であるとのことだった。小田朋美という人も在籍していて私は名前しか知らずまだ聴いたことはないが彼女がこの『sneakers』という楽曲を制作しているとのことだった。

Negiccoは新潟のアイドルだが私は新潟で育ったがNegiccoがまだ地元のCMのようなものに出ている頃からテレビで見ていた。そのときは誰もがネギッコを見下していた。私の家族はNegiccoがテレビに映ると容姿やグループ名などについて文句を言っていた。私は何も感じていなかった。

その頃の私にとってはNegiccoよりもヤングキャベツの方が偉大な存在のように思えた。ヤングキャベツは新潟の二人組のラップユニットだった。芸人だったのかもしれないがタレントの一種だった。一人は金髪で、一人はアフロのサングラスだった。ヤングキャベツオートバックスのCMで「オートバックは、高価買取」とラップしていた。

しかしあれはオートバックスのCMではなかったのかもしれない。なぜならヤングキャベツオートバックスのことを「オートバック」とラップしていたからだ。「オートバックは、高価買取」とラップしていたからだ。

もしかしたら「オートバック」と言っていたのではなかったのかもしれない。「オートバックス」が表現上の問題で「オートバック」という発音として演奏されていたのかもしれない。ヤングキャベツの金髪はどことなくUnderworldのカールハイドのような洒脱な雰囲気があった。もう一人のアフロと合わさった二人の立ち姿はどことなくprodigyのような暴力性を感じさせていた。当時の新潟の停滞した空気感には似合わない危険な二人組だった。静寂をぶち破るような躍動感があった。

私はヤングキャベツを一度だけ加茂川の祭りのステージの上で見たことがある。彼らは演奏をしていなかったからラップユニットではなくただの芸人だったのだろう。しかし芸は披露していなかったから彼らはタレントだったのかもしれない。彼らは地元の祭りの司会進行をしており、私は群衆に混じってヤングキャベツを見ていた。そこにはテレビカメラもあった。