20200408呪術と呼吸

鬼滅の刃』と『呪術廻戦』を全巻読み、あらためて五条悟の無下限術式の強さを実感した。収束する無限級数を具現化する彼の術式において最も厄介なのはその〈領域展開〉における『無量空処』であることだろう。一方鬼狩りの剣士たちは何ら特別な呪術を持ち合わせておらず、ごく普通の人間が行う〈呼吸〉を独自のリズムで先鋭化させることによって様々な剣舞の型と成す。剣士たちはただの人間ゆえ、もがれた腕や潰れた目が戻ることは二度とない。超越的な力の意志が生死の土壇場で彼らを導くこともない。そういう意味では『鬼滅の刃』は非常にスポ根的であり、肉体的?であり、敗けたら死ぬスポーツをひたすら努力と根性で勝ち切ろうとするキャラクターの人柄と関係性の描写に全力を注いでいるように見える。