20200317冬来たり

火のほかに闇を照らすものがなかったウェスタロスの一時代にとって、使徒迎撃要塞都市第3新東京市のまばゆい灯りは遠い異国の幻影に過ぎぬ。知識の城“シタデル”が王国全土に〈冬〉の到来を告げた。(第六章最終話)。季節の不規則なウェスタロスにとって〈冬〉の到来は終わりの見えない凶荒の時代を意味する。北部は再び統一されつつある。ラニスター家の姉弟はお互いのために世界に火を点けようとしている。愛することが罪だというのか。。アリア・スタークは女王を殺すために王都へ南下した。ティリオン・ラニスターは数奇な運命を辿り、炎と血の女王デナーリス・ターガリエンの“手”となった。2019年リミックスされたR.E.M.のMonsterの何と素晴らしいことか・まるで生まれてすぐ目を開けたときの音のようだ。美しい雑音のつぶてのようだ。1995年Monsterが発表されたとき私は生まれ今25歳になった・そしてこの2019年リミックスされた新しいMonsterの音がまるで二つの異なる時間を結ぶ「かたわれどき」の金色の約束のようだ。ただしここで出会うのは自分と自分の二人であり、リミックスされたMonsterの12曲は本当に素晴らしく、what's the frequency,kenneth? 2019 はサビの特徴的なビヨビヨ音が完全に削除されておりミドルテンポの渇いた音色の退屈さに磨きがかかっているのが感動的な気持ちになる。たとえば自動ドアや蛍光灯やポリエステル、電子・周波数・気流の概念・また重力や宇宙やセカンド・インパクトの概念、それらに脚色された2015年のリリン的世界に生きる孤独なチルドレンにとって、内面なんてまるでない愚かで人間的で孤独な王や騎士や政治家や王妃や奴隷や宗教家や娼婦や野人や太后や学匠のわずかであっという間の人生・ほとんどが無残に死に絶え、幼いサンサ・スタークは悪鬼ラムジーボルトンから故郷の北部を取り戻した後、かつて汚された貞淑のために彼を生きたまま犬に食わせて殺した。彼は死んだ。「あなたの言葉は消える。あなたの名前は消える。あなたの行いは消える。あなたは人々の記憶から消える。何も残らない。無かったことになる。」ラムジーボルトンは凌辱や拷問を好む残虐な知将だったが、北部をかすめとるその手腕は見事なものだった。ほんの少し・わずかでも運命の風向きが彼に味方をすれば、その後の歴史はどうなっていたかわからない。と思う。しかし今はすべて消え去り、何も無かったことになってしまった。ボルトン家は途絶えた。滅亡した。それも使徒やアダムの関わる無責任な人類大爆発イベントとはうって変わり、彼は彼自身の責任により現実的にぶち殺され消え果てたのであった・という揺るぎない事実がカラカラに渇いており、今や彼を思い出す者もおらぬ。