20190910思い出せん2

5月18日−23日アイスランド渡航によるカレンダーの換算値から今日まででだいたい四ヶ月過ぎた。

アイスランド渡航として思い出されるのはやはり強烈な「仲間のいなさ」か「話し相手の完璧な欠如」というものでした。なので、次は誰かと行った方が完全に楽しい。

そもそもアイスランドは凄まじく寂寥感があったように思われる。空港に降り立ったとき静かだった。英語やアイスランド語が理解できないため静かに感じたのかもしれなかった。しかし鶴岡や酒田の駅に降り立ったときの絶望的な感じに似ていた。アイスランドは寒かった。夜なのに明るかった。だが青空は一片もなかった。ただ明るく白けており、見渡すかぎり狂ったように広く誰もいなかった、というような記憶があるが正直よく覚えていなかった。ヴィンランド・サガという漫画を最近読み「ここ(アイスランド)より先なんてあるの? いったいどこへ逃げればいいの?」みたいな台詞があった。アイスランドの首都レイキャビクは地上で最北緯に在するとのことであった。その火山島が最果ての地であることになぜか恐ろしく感動すると思う。曰く近寄りがたい古代北欧の神々の沈鬱な雰囲気にまもられており、陽の光さえ届くのはまれな氷の地…とか言って、観光客的な外からの視点で過度にアイスランドを物語化しているが、その島にこそオーロラが降るという事実が感動する。レイキャビクのビク=ヴィークは入り江という意味でヴァイキングの語源だとヴィンランド・サガに書いてあった。

しかし書きながら思い出したいが、アイスランドに行ってどういうものを見たか、以前に私は記したもの以外にたくさんあったはずが、自分の記憶力のなさというものにやられ、四ヶ月も前のことだとほとんど思い出せん。

誰かと行った記憶ならば自分が忘れてもその人が覚えていてくれるので後から話しやすいが、私はアイスランドは一人で行ったのか。そもそもアイスランドって何なのか。本当にそれは存在しており、私はちゃんとそこへ行ったのか…みたいな安易な考えになりそうだが、でも一人だと意味がわからない感じはする。移動しながらひたすら景色を見たことしか覚えていない。あとパンのことしか覚えていない。渡航費にすべて注いだため食費は限界まで切り詰めたが、途中で1,000krぐらいのパンを食べたらマクドナルド的で美味かった。思い出したが、街中で自転車にぶつかりそうになり大声で怒られたこともあった。海外は右側走行なので歩くときも右側を歩かないと危ない。あとはレイキャビクまでの道のりを通りすがりのオタク的な風貌の青年が案内してくれたこともあった。彼はなにか言っていたが私は何を言っているのかわからず「それは英語ですか?」と下手な英語で聞いたら「英語だ」と言われた。なので翻訳アプリで英語を選択した。彼の後をついて行った。地元民のようだった。正式な歩道を行かず、車道を飛び越えあっちへ行ったりこっちへ行ったりという歩き方だった。そして私は彼に追いつけず車にクラクションを鳴らされまくった。そういうことがあった気がする。なのでやはり特筆することは景色を見たこと以外はあまりなかったと言える。やはりどこかへ行くということは移動が一番おもしろいということだと思う。

帰りはケプラビーク空港からノルウェーの空港に降りた気がする。そこからデンマークの空港へ移動し、そこで14時間?ほど待機しなくてはならなかったので椅子や床で寝た。空港に着いたのが夜の22時で次の日の15時にならないと次の便が出なかったと思う。まずは空港を一周した。それから寝た。それから起きて空港を散歩した気がする。それから店に入って土産などを見たような気がする。あとはレストランのようなところへ入ってビールを飲んでいたような気がする。それから人気のいないスペースを見つけてそこで座ってひたすらウイスキー瓶を飲んでいたらこれまでにないほどアルコールの良さを感じた。なぜか酔っていたときのことの方が鮮明に思い出せる。私はそのときhuluを起動した。それからゲームオブスローンズを見始めたら止まらなくなった。ウイスキーを飲みながらサラダ的なものを食べゲームオブスローンズを見続けており一人で幸せだった。幸福感があったのが覚えてる。でもそれは完全にアルコールのおかげだと思われる。おそらく私は自分がどこにいるのかまったく問題にしていなかった。そこが自分の部屋だろうと新宿の路上だろうとアイスランドだろうとデンマークの空港だろうと、自分はただ酔っていて、ゲームオブスローンズを見てる…という感じだった、それしかない幸福感だったと思う。帰りの便でも完全に酔っていたと思われる。行きの便で隣の男がやっていた機内食とアルコールの組み合わせを真似したからそうなった。なぜか彼が見ていた映画も真似をしてファンタスティックビーストを見た。しかし途中でやめた気がする。そのあと万引き家族を見たが、見るのは2回目だったが、やはりあのシーンで泣きかけたということがあった。あのシーンというのは安藤サクラという女優のあの演技のシーンだと思う。やはり酔っていたときのほうが鮮明に思い出せる。完全に私は自分がどこにいるのか問題にしていなかった。そのとき私の身体は北欧の雲の上にあったが、そこが自分の部屋でも良かったし誰かの部屋でも職場でも路上でも、私は変わらなかったと思われる。ビール、ワイン、ウイスキーといったアルコール物質が私の中身であったと思われる。そして映画を見てただ感極まっていただけと思われる。思い出したが、日本に着いて村岡に会い高円寺のラーメンを食べたら数日ぶりのパン以外の食べ物で感動したということもあった。それから成田空港へモバイルwi-fiを返しに戻ったことがあった。やはり景色を見たこと以外は特筆すべきことはなかったかもしれない。しかしそれが当初の目的だったので良かった。