2018.7.15 昨日の夢

いま会社にいる。でもやらなきゃいけないことをやるまえにちょっと整理したい

きのうものすごく暑かった。池袋に清水が来た。夜の10時くらいだった。清水は14日の夜ヒマということを私は何日か前から知ってた。だからなんとなく呼びつけたのだが、何をするかとか何を話すとかそういうのは何もなかった。だから畠山とか牛渡がどうせ来るだろうからふたりに任せようと思っていたらふたりは別の場所で別の人たちと飲んでいて来なかった。

清水と私はもう終電も無くなった時間か、池袋の西口の公園で風景を見ていた。畠山に電話をしたらいま会社で飲んでると言われなにしてると言われ景色見てる。と言ったらじゃあねと電話が切れた。私が清水を見ると清水はニヤリと笑っていた。清水に起きているのは心の問題だと私は思った。

なんでなんだ、どうしてなんだ、と清水は泣き始めた。実際に涙を流さなくとも人の心は泣く。清水は「もう歩けない、あついよ、なんのために俺は、俺は、」と言って「俺はきのう遅番でさ、家に帰ってゲームでもして寝るかと思ったら上司から飲みの電話がかかってきて、行って、朝になるよ。それで休みだったから寝るよ。昼に起きたら飲みの電話がかかってきて、行って、夜になるよ。出勤して、終わって、家に帰ったら飲みの電話がかかってきて、朝になるよ」

「それで俺は今日を楽しみにしてたんだよ。村岡と藤田が東京に来てさ、俺たちはどこかへ出かけていて、レンタカーを借りてたかもしれねえ、それで温泉とかに行ってたかもしれねえ、馬鹿騒ぎしてよ、眠りもせず一晩中飲んでたかもしんねえ、でもふたりは来なくてさ、しょうがねえよ、でも畠山と牛渡がいると思ったよ、でもいねえ。俺は一体なにをしにここまで、なにをしているんだ」

まわりで怒号や走り回る人の奇声がうるさい。サイレンの音、慌ただしく駆けていく警察官、窯のなかにいるように暑い。清水はずっと泣いていた。涙は流さなくとも心は泣く。「もういやだ、もういやだ」私は清水を連れて歩いた。アイス、アイス買う。と清水は言った。コンビニに連れていくとアイス、アイスいらない。と言って泣いた。じゃあ100円ローソン行こうと私は慰めて清水を100円ローソンへ連れていった。さあアイスを選べ。と言ったらアイス、アイスここで買わない。と言ってポプラ、ポプラと清水は言った。ポプラ行くの?ポプラ行こっか。と言ってポプラへ行くと清水はよくわかんないミカンのアイスみたいなのを買ってがつがつ食い始めた。「起きたら夢の話をあいつらにしてやるんだ…」と清水は言った。いまここにいるのは夢で、本当の清水は旅館で眠っているらしい。たしかに私は三連休がこうなるなんて思いもしなかった。ましてや出勤することになるなんてましてや誰もいないなんて。ましてや休めもしないなんてましてやこんなに時間が無駄になるなんて。清水は幸せな人々のことをショーウィンドウと名付けた。街中のガラス窓の向こうのテーブル、若い男女のランチ、ディナー…それらはショーケースのなかの人生、誰かの影、資本の象徴、模造品、見世物、そして私たちは窓の外にいる。だが本当は私たちもそのなかの一部に過ぎないのかもしれない。確実なのはこの感情だけだった清水と私は怒っていた。